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上田市内の桜の名木をめぐる

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 春の日差しが暖かさを増し、桜の便りが届く季節です。ソメイヨシノの並木のように、たくさんの華やかな桜もいいけれど、公園の一角や集落の中に立つ一本桜を巡るお花見も、味わい深いものです。今週は、地域の“知る人ぞ知る”桜の名木を紹介します。


上田城跡公園のウコンザクラ(鬱金桜)

●上田城跡公園内

 上田市立博物館の南側

●上田市都市計画課公園緑化景観担当

●☎0268・23・5127


 オオシマザクラを元に生まれたサトウザクラの一種で、大輪の八重咲き。落花寸前には、紅色を帯びるのが特徴です。ソメイヨシノより10日ほど遅咲きで、同公園の中に1本しかない珍しい桜です。


上小漁業協同組合のシダレザクラ

●上田市常田1-2-16

●☎0268・22・0813


 樹齢約90年。樹形が美しい古木で、「枡網(ますあみ)用水」に枝がしだれる様子が見事です。開花はソメイヨシノより早く、小さめで濃い紅色の花が鮮やか。平日は、漁協の窓口に声をかければ、駐車場に車を停められます。












前山寺榮尚(えいしょう)シダレザクラ

●上田市前山300

●☎0268・38・2855

●参拝時間:午前9時~午後4時


 国際ソロプチミスト上田(女性の世界的奉仕団体)によって1993(平成5)年に植樹され、大きく育ちました。当時の住職・榮尚さんの名からその愛称で呼ばれています。入山料は一般200円、高校生100円、小中学生50円。




常田館製糸場の東駐車場 きつね坂の嫁入り桜

●上田市常田1-10-3 笠原工業内

●☎0268・22・1230


 オオヤマザクラの大木が1本、見事に咲きます。縁結びや子宝に恵まれる桜との言い伝えがあり、幸せを願いながらお花見をする人も。



ヤマザクラではない「山桜」

寄稿 筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所准教授・津田 吉晃さん


 上田城跡公園から上田市指定天然記念物である信広寺のシダレザクラ、大布施のヒガンザクラ、岩屋堂エドヒガンまで、上田市、東信地域には桜の名所が多い。また読者の中にはひっそりと花見のできる隠れた名所をご存じの方も多いだろう。

 春先には山にもぽつぽつと野生の桜が咲いており、それを遠くから眺めるのも趣があって私は好きだ。一般にこれらは「山桜」と呼ばれるが、東信地域に分布しているこれらの桜はオオヤマザクラやカスミザクラなどであり、生物学的に分類されているヤマザクラではない(南信には分布している)。

 機会があればぜひ、山に咲いている桜の近くに行って、形態なども観察し、どんな桜かご覧いただければとも思う。

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